メディアというと、みなさんは何をイメージされるだろうか。一般的に新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、インターネットなどではないだろうか。私は、街もある意味で「メディア」ではないかと思う。街を歩きながら、私たちは無意識にさまざまな情報を得ている。看板やショーウインドー、街を行く人のファッションや会話、さまざまな音楽、天候、緑、そして街の匂い。「田舎の3年、江戸(都)の昼寝」という喩えがあるそうだ。田舎で3年勉強するより、江戸で半時昼寝をしているほうが勉強になる、といった意味らしい。
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当時の江戸はそれほど突出した文化・情報の宝庫であったのだろう。江戸ならば、昼寝をしていても、さまざまな情報が入ってくるという意味も込められているのかもしれない。いまはマスメディアやインターネットの普及で、都会と田舎の情報格差は縮まっている。しかし、人はやはり都市に惹かれ、集まる。「江戸」をニューヨーク、パリ、ロンドンなどに置き換えてもいい。海外の都市の情報など、いくらでもインターネットで得られる時代になったのに、やはり実際にその街を歩いてみたい、体験したいという欲求にかられて、多くの人が海外旅行に出る。これが都市の「磁力」だろう。私は、六本木ヒルズを「都市の磁力を発するメディア」としてとらえている。現代の都市文化を生み出し、世界に発信する情報媒体だ、と。美術館やアカデミーヒルズ、ライブラリー、六本木ヒルズクラブといった文化施設から発信される情報だけでなく、アリーナやプラザで開かれるイベント、六本木全体を使ったアートイベントや、この街に集う人々のファッションやライフスタイルも、ひとつの情報であろう。これらをどう効果的に発信していくか。私たちは既存のメディアだけに頼らず、自ら発信する方法を考えた。