不動産価格が形成される背景には、近代的な家族構造の崩壊、二極化、格差社会、教育の荒廃、国債残高の急増、経済のグローバル化、巨額ファンドの興隆など、数え上げたらきりがない要因が複雑に絡んでいるのです。こういった、従来とは異なる複合的な要因が、不動産の価格を決めています。もう、単純な量的需給論では説明できないのです。その他にも、論理的に矛盾した言説があります。「新駅ができたから資産価値が上がった」というのも、よくある、もっともらしい説明です。これは、価値(バリュー)が上がったのではなく、価格(プライス)が上がっただけということです。価値と、価格の意味を勘違いしています。あらゆる法則には、科学的な根拠、普遍性がなければなりません。逆にいえば、その普遍性を見つけるのが、科学というものです。社会科学は、そうして発展してきたのです。たとえば、すべての新駅周辺の不動産の賃料を、従前と従後に分けて、一定期間、継続的に調べれば、資産価値の推移など簡単にわかるものです。新駅など完成しても、実質的な経済効果がなければ賃料は上がりませんし、価格もやがて下がるものです。
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